本校特有の秋期休暇,いわゆる「秋休み」が本日から3日間。日曜日扱い。クラブは今日と明日練習,最終日木曜日はオフ。バスケの話題が続いたので,今日は数学の話に戻す。
昨日とおとといと,1人ずつバスケ部を引退した高3が添削をもってきた。いずれにせよ,頑張ってほしい,もちろん。
1人は京大理系2018。
1番は点の軌跡。除外点をきっちり考察するのは時間制限がある入試の現場では難しさがあると思われる。が,指導の現場では扱っても良い問題と思う(もちろん典型例題としての位置づけではなく入試演習でレベルだが)。難しさとは,まず共通接線をもつということ自体に存在が隠れており,さらに軌跡を考えるときにもまた存在条件を考えることになることではないか。(1)でa,cを用いて表すが,ここで消去しているbの存在条件も考えないといけない。落ち着いて状況整理することが必要。
2番は実験さえできれば比較的容易?な整数問題。
3番は図計量の最大最小。自由度の個数だけ変数(辺or角)を設定して立式。本問では外接円の半径があるから角度を設定して正弦定理を連想したが,それでもどの角を文字でおくのかも含め,一筋縄ではいかないか。
4番は題意把握さえできれば京大受験生としては定番の3状態遷移の確率漸化式。ただ本問では題意把握の部分に複素数平面が扱われている。複素数の積で回転を表す,共役で実軸に関する対称移動を表す,ということなのだが,もってきた高3生徒は題意把握が正しくできず。教員目線としてはこれはできてほしいと思う一方,複素数平面という分野自体の教員目線と生徒目線の乖離を表しているのかもしれないと感じた。
5番もちょっとやりにくい極限の問題。準備としての(1)は乗り切りたいところだが,高3生徒はu,vは求められているのに微分が正しくない。これは明確に「数Ⅲやりなおそう」と伝えた。共通テストを中心に据えるのはもう目の前だろうが,その前に早急に数Ⅲ解析を固めなおしてほしい。
6番の(2)は難問。即刻捨てる,という目力の問題。
もう1人は2023年?の秋の京大OPらしい。秋休み中で時間も余裕があったので,解答だけ見て添削するという横着をせず,まず自力で解いてからの添削とした。
1-1はガウス記号に関する整数問題。生徒はガウス記号を評価して消去していたが,これでは整数属性が失われる。例えば極限の式の中のガウス記号だったら評価してはさみうちにもっていくが,本問は整数問題だよ,ということを伝えた。
1-2は平面図形の最大最小問題。明らかに角を文字でおいて立式という方針は立つ。問題は最大最小を求めるときに微分する場面。三角関数のまま微分すると大変。式の特徴を観察して,sinカタマリの3次関数になることから,sinを1文字とおいて3次関数の微分にするべき。大切な学習内容である。例えば4次関数y=ax^4+bx^2+cの最大最小は微分不要でx^2カタマリの2次関数とみて平方完成で済む。こういった例はたくさんある。特に文系だったら相加相乗平均の不等式の利用なども含めこういった工夫を勉強するが,理系なら工夫しなくても微分できてしまうのが弊害で,微分の前に式の特徴を観察することを強調しておかねばならない。
2番は確率漸化式。四角形の4頂点上を動く点に関する確率の問題で,初見は3状態かと思ったが,移動を繰り返した時の手前と次の点を結んだ線分が辺か対角線かという2状態の問題であった。この題意さえ把握できれば難しくない問題である。
3番は複素数平面。極形式表示される2複素数z,wについて,|z^n-w^n|が一定値を超える最小の自然数nを求める問題。このセットの中では最難問と感じた。arg(z)=π/6,arg(w)=-π/3という設定で,arg(z^n-w^n)はπ/2ずつ増えていく。また,|α-β|≦|α|+|β|という評価も必要。ちょっと後回しにすべき問題では。
4番は正三角錐O-ABCに対し,Aと対面に関しての対称点A’,同様にB’として,A’B’の長さが与えられていて,cos∠OABを求める問題。京大らしい図形の道具選択であるが,本問ではさすがに空間ベクトル一択は分かりやすいか。平面に垂線を下ろす話であり,典型的。最後もcosθカタマリの方程式となるが,生徒はここがよく見えていなかった模様。どこまでいっても,式の特徴を観察する力,観察しようとする俯瞰的な目線につきる。
5番は数Ⅲ積分で,絶対値つき定積分を含んだ方程式。被積分関数が|sin2t-xtant|,積分区間は0≦t≦π/4。絶対値内の符号変化の境目は,2sintcost=xsint/costを解いて,0<t<π/4では,x=2(cost)^2(tが区間内なら)。これによって場合分けの境目が分かる。ただ,このように代数的に処理する前に,自分は問題を見てすぐさまy=sin2tとy=tantのグラフをかき,x=1が境目になることが見えた。恥ずかしながら原点での微分係数を考えてのx=2の境目はすぐには見えなかったが。数Ⅲでもグラフによる視覚化でおおよその題意を把握することはやっぱり大切。生徒はまったく見えていなかった模様。
6番は平面幾何の証明。京大らしい論証とも言えなくはないが,ちょっとクラシカルというか,OPらしい古めかしさを感じてしまった。三角形の頂点から対辺までの距離の最大値最小値に関する論証。垂線の足が辺上かどうかで変わる,すなわち鈍角三角形かどうかで場合分けしないといけないが,生徒はこれが見えていなかった。正三角形であることを示せというゴールが与えられている分見えなかったか?
とこうやって記録を書いてきたが,OPの添削をしたのは昨日。今ブログを書いているのは自宅で,自力で解いたが解いた紙や問題や解答は学校に置いてきた。すべて記憶に頼って記録している。これもまず自力で解いたからこそ。解かないと記憶に残らない。数日前のAIについてのブログと似ているが,自分の手を動かすことの大切さを忘れてはならない。

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